大会長挨拶
このたび、第29回日本遺伝子診療学会大会の大会長を仰せつかりました金沢大学附属病院遺伝診療部・遺伝医療センターの渡邉淳です。2022年7月14日(木)~16日(土) (14日は理事会、委員会のみ)金沢市文化ホールにおいて開催する運びとなりました。副大会長には富山大学附属病院遺伝子診療部 仁井見英樹先生にご就任頂き、初めての北陸開催を一丸で準備をしています。
日本遺伝子診療学会の目的は「遺伝子関連技術の臨床的応用に関する研究の推進と向上および良質な遺伝子診療の推進と発展・普及をはかること」です。本学会は遺伝医学関連学会の中で臨床検査(遺伝子関連検査)と臨床遺伝を橋渡しし、医療者のみならず衛生検査所や診断薬、製薬など遺伝子診療に関わるすべての方々にご活躍いただき産学連携を強化しています。年に一度開催する大会は、全国の遺伝子診療に関わる方々が参集し、遺伝子診療の最先端を発表・情報共有・議論する場となっております。
2018年末に改正された医療法では検体検査分類の1つに遺伝子関連・染色体検査が加わり、がん・難病・感染症といった幅広い医療分野で遺伝子関連検査の保険収載項目数が増大し、これまでの遺伝子・ゲノム研究の成果が次々と医療に応用、一般化する時代となってきました。この4月に改定された令和4年度診療報酬では、100疾患以上の遺伝学的検査が保険適用として新たに加わりました。そのような遺伝子・ゲノム診療の実装にあたって、検査結果で得た遺伝情報・ゲノム情報を誰もが活用できる道筋を示すことが重要となります。また私事ですが、東京から金沢に来て3年が過ぎましたが、遺伝子診療の国内での地域差を感じております。今回の大会テーマは「遺伝子診療・ゲノム診療の次の一手―リテラシーとアクセシビリティの向上を目指して」とさせていただきました。今回のプログラム作成に至っては、当学会初めて会員の方々にご要望をお聞きし、プログラム委員会で練られた先鋭なテーマになっております。関係者の皆様ありがとうございます。
また、この数年の(新型)コロナウィルス感染症の影響で大会開催形式も変わり、オンライン開催といった手法も加わりました。ポストコロナも踏まえた会場開催での意義も再認識した中での29回大会となります。ハイブリッド開催となりますが、遺伝子関連技術と遺伝子診療の更なる質の向上を目指しフォーラムシンポジウムで行われているようなライブでも議論もできるよう準備を進めております。シンポジウムだけでなく、現地開催では臨床遺伝情報検索講習会(ジェネティックエキスパート認定制度委員会)とのコラボ企画、市民公開講座の開催も企画しております。金沢は定番の観光地だけでなく、大会開催時期は夏ならではのグルメ、お祭り、イベント、アクティビティが盛りだくさんです。大会とともに、金沢でのひと時も楽しんで思い出深い大会にしていただけると嬉しいです。第29回大会に一人でも多くの皆様と金沢の地でお会いできることを楽しみにしております。
第29回日本遺伝子診療学会大会
大会長 渡邉 淳
金沢大学附属病院
遺伝診療部部長
遺伝医療支援センターセンター長