第14回日本IgG4関連疾患学会学術集会第14回日本IgG4関連疾患学会学術集会

ご挨拶

 第14回の日本IgG4関連疾患学会の会長を拝命しました。
 本会は当初2007年に石川県山中温泉にてIgG4愛好会として産声をあげ、その後に研究会としてどんどん大きく発展しました。前回の第13回日本IgG4関連疾患学会学術集会は産業医科大学の田中良哉会長の基で、第4回国際IgG4関連疾患シンポジウムと合同開催され、大きな成果が生まれました。今回の学術集会は、研究会から学会に昇格して以後、初めての単独開催となります。
 IgG4関連疾患は2001年に日本から提唱されて約20年の歴史となり、医師国家試験にも毎年出題されるほど周知の疾患となりました。典型例の診断は比較的容易である一方、他の周辺疾患との鑑別が困難な境界領域の症例が時に存在し、非典型例の診断は専門家でも悩ましい事があります。また本疾患では初期に中等量の副腎皮質ステロイド(グルココルチコイド)が著効する事が特徴ですが、ステロイド以後の治療戦略は定まっていません。欧米ではRituximabをはじめ様々な新薬が試みられていますが、日本では保険適用の問題もあり、ほとんど使われておりません。ステロイド治療抵抗例は前述の周辺疾患との鑑別が問題となる事も多いため、安易に新薬に飛びつくのは危険でもありますが、いつまでもステロイドしか治療薬が無いのでは、発展が望めません。
 そこで今回はテーマを「適格な診断と治療への挑戦」と定め、Mimickerと鑑別診断を中心とした臨床・病理症例検討会、画像診断の進歩、難治性病態への治療戦略、新規治療開発に繋がる基礎研究などをシンポジウムとして行う事としました。

 冬の金沢には美味しい食べ物やお酒が沢山あります。
 昼間は学会で熱い講演と議論を、夜は金沢の味覚をお楽しみいただければ幸いです。


第14回日本IgG4関連疾患学会学術集会 会長
金沢医科大学 血液免疫内科学 教授
正木康史