ご挨拶GREETING
このたび、第17回日本IgG4関連疾患学会学術集会を、金沢の地にて開催させていただく運びとなりましたことを、大変光栄に存じます。IgG4関連疾患の数々の発見と進展が積み重ねられてきた金沢で、本学術集会を開催できることに、深い喜びと誇りを感じております。
私はこれまで、大動脈瘤とIgG4関連疾患の関わりを契機に、本疾患群に携わるようになりました。自己免疫疾患や免疫系の仕組みについて学び直す過程で、未知の疾患概念に取り組む難しさと、発見の楽しさ、そして患者さんの診療に直結する臨床の重みを実感してまいりました。IgG4関連疾患は、多彩な臓器に病変を呈する一方で、共通した免疫学的背景を持つ稀有な疾患群です。その全体像に迫る試みは、研究者・臨床医の垣根を超えて、幅広い視点が求められます。
本学術集会では、学術のみならず金沢らしさもお楽しみいただけるよう、シンボルとして石川県のキャラクターである「ひゃくまんさん」をポスターデザインに取り入れました。また、今回のテーマである「Metamorphose」は、エッシャーの名作に着想を得たものであり、IgG4関連疾患の四半世紀の歩みを象徴しております。IgG4関連疾患の発見から約25年が経過し、診断基準や治療法が洗練されていく一方で、病因・病態の解明、新薬の開発、疾患概念の広がり、そして若い次世代の台頭といった、新たな変化が力強く進行しています。
「変わるものと変わらぬもの」——その双方を見つめ直し、未来への展望を共有できるような場となりますことを願ってやみません。
多数のご参加と建設的なご発表を心よりお待ち申し上げております。
第17回日本IgG4関連疾患学会学術集会 会長
笠島 里美
(金沢大学医薬保健学域保健学系病態検査学)
